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精神科医療における共同意思決定の広がりを目指して

2018年2月10日・11日、東京でSHARE研修会が実施されました。
研修会の様子は、日本財団様のブログ『ソーシャルイノベーション探訪』にも掲載されました(1)

SHAREシステムの開発を担当したアクセライトからは、板垣と佐々木が参加しました。
学びの多かった研修会の様子をお伝えします。

SHAREとは?

研修会の様子についてお伝えする前に、SHAREのことをお話ししましょう。

SHAREは、共同意思決定のサポートツールとして開発された、webベースのシステムです。

共同意思決定とは『精神科医療サービスの利用者と医師(専門家)が治療ゴールや治療の好み、責任を話し合って、2人で適切な治療を見つけ出すこと(2)』です。英語では Shared-Decision-Making、SDMと略されます。

SHAREを使い、利用者が“治療ゴールや治療の好み”を、診察前にまとめることができます。医師は、利用者の考えを見ながら診療を行うことで、利用者と医師の共同意思決定が行いやすくなります。

多職種かつ幅広い地域からの参加者

都内だけでなく北海道や千葉県など、多地域から参加者が集まりました。

また、本研修の特徴は“多職種参加型”ということ。ピアスタッフ、医師、コーディネーターの方々が参加し、多職種からの意見が聞ける場となりました。

プログラム概要

知識や理念を学ぶ・考えるパート、SHAREを使う (ロールプレイ及びデモ利用) パートで構成されていました。特に印象的だったのは、職種別分科会とロールプレイです。

盛り上がる職種別分科会

2日目の午前は、3分科会 (ピア、医師、コーディネーター) に分かれ、他機関の同じ役割の方々と意見交換をしました。どの分科会でも、SDMというテーマに留まらず、より良い診療に向け、各立場で何ができるか、熱く意見が交わされました。

ロールプレイを交えた実践的な研修内容

SHARE利用経験のあるピアスタッフが、利用者役の参加者の話を聞きながら入力をサポートし、入力画面を投影しながらのロールプレイが行なわれました。
利用者自身が大切にしていることや元気の鍵を入力する「希望とリカバリーシート」の作成、今の状態や相談したいことをまとめる「診察の準備」の入力、そして「希望とリカバリーシート」の印刷まで見ることができ、『ツールを活用するとこんな診察になるのだな』とイメージが湧きました。

おわりに

一方通行の学びではなく、参加者の発言がSHAREをブラッシュアップする場になったと感じます。また、1日目の終わりには懇親会も催され、皆さんの精神科医療に対する想いが飛交いました。

SDMの考えは徐々に広まってきていますが、実践として日本に浸透させるには、ここからが勝負の時期だと感じます。
SDMの発展の一助となるため、わたしたちは、研修会に参加された施設の方々と連絡を取り合いながら、SHAREシステムの普及を進めていく所存です。この研修会が、精神科医療における歴史の重要な一歩となるよう、今後とも努めてまいります。

 

1. 共同意思決定 (SDM) システムの推進目指す. 日本財団ブログ『ソーシャルイノベーション探訪』
http://blog.canpan.info/nfkouhou/archive/1160#BlogEntryExtend

2. 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神・神経医療研究センター精神保健研究所 社会復帰研究部
https://www.ncnp.go.jp/nimh/fukki/research/04.html