コラム

第3回日本HTLV-1学会学術集会に参加してきました

Author:大下知樹
第3回日本HTLV-1学会学術集会

8/25(金)~8/27(日)に鹿児島市にて行われた第3回日本HTLV-1学会学術集会に参加して参りました。

まずはHTLV-1ウイルスのご紹介です。

HTLV-1とは、ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell Leukemia Virus Type 1)の略称で、血液中の白血球のひとつであるリンパ球に感染するウイルスです。

HTLV-1が発見されたのは1980年と比較的最近ですが、このウイルス自体は古くから人類と共存してきたものです。日本では縄文時代より前からHTLV-1の感染があったといわれています。

現在、日本に約108万人前後、世界で推定3000万人以上の感染者がいるといわれています。 このウイルスは、インフルエンザウイルス等とは異なり、感染しても全く自覚症状がありませんが、一度感染するとリンパ球の中で生き続け、感染者のごく一部の方に病気を起こします。

HTLV-1情報サービス

学会参加の動機

なぜアクセライトのスタッフでHTLV-1学会に参加しているかといいますと、弊社ではHTLV-1およびその関連の疾患についてレジストリ構築にご協力しているという背景があるからです。

HTLV-1ウイルスを原因とする疾患には、ATLやHAMという病気があります。HTLV-1に感染しても約95%の方は生涯病気になることはないのですが、それゆえ、ATLやHAMの患者さんは少なく、さらには、日本以外の先進国では患者さんが大変少ない病気です。そのため、ATLやHAMに関する基本的な情報が不足しがちであること、特に新しい薬を開発する際に必要な症例数を集めることが難しいこと、患者数が少ないため製薬事業が経済的に成り立ちにくいこと、などから、疾患の研究、治療薬の開発などは困難を極めます。

そこで日本各地での患者さんの情報をしっかり集めていくために、研究者の方々が大きな研究チームを組織し、日々データを蓄積していけるような体制を構築すべく尽力されています。私どもはそこでのデータを管理するシステムを構築したり、データ解析のお手伝いをしております。

学術集会で学んだこと

私は他の用事があり、金土日の三日間の中で土曜日の夕方からの参加でした。土曜日はポスター発表で学ぶとともに前日から参加していたスタッフと情報共有をし、最近のトレンドを勉強しました。

この分野における最近のトピックとしては、ATLの薬として2012年に販売され始めたモガムリズマブの臨床成果報告が挙げられます。抗がん剤治療や造血幹細胞の移植等にならぶ新たな治療法として、モガムリズマブの治療効果には大きな期待が寄せられているようです。「この新薬をいかに使いこなすか」という視点から、日々臨床情報を蓄積し研究を進めている様子を伺うことができ、医学の発展の最前線を垣間見ることが出来ることも、学会参加の大きなメリットです。

日曜日の講演では、臨床現場における医療従事者側の感染事例の研究が分かりやすく、勉強になりました。針刺しや切創等を原因とした血液・体液曝露による感染というのは医療従事者にとってリスクとなります。某施設内の特定期間における医療従事者の感染事例に関する調査がなされ、同調査内では、リスクが予想される具体的なケースについて感染事例はなかったという報告がなされました。しかしながら同等の行為で感染する事例はすでに確認されているという研究もあるようで、医療従事者にとっては引き続き気になる研究になってきますね。

lunch
ランチセミナーのお弁当。ファイザーさんありがとうございます。
そして最後に実施された公開セミナーでは、研究者・医療者・当事者を交えた活発な意見交換がなされました。研究者からは、これまでの研究成果についての概要が示され、ATL, HAMの当事者からは、日々の暮らしの辛さや、医療者への要望、闘病生活について、リアルな言葉でダイレクトに語られておりました。

当事者の方々は当日参加されていた研究者の方々に多大なる敬意を払いつつも、医師一般に対しては患者の気持ちへの無理解を訴えられていました。稀少疾患でありその病態に十分理解ある医師が少ないことはある程度は仕方が無いことだとしても、患者に寄り添った質の高い医療を提供する事の重要性を感じました。

サービスの底上げは意識改革を伴ってなされる必要があり、医療に限らず、教育や行政サービス全般、そして民間組織の内部運営など、様々な場面に存在する難しい課題であり、それぞれの業界の特異性という問題も孕むまさに一大テーマですね。企業経営を始めて6年目になり、社会の機能を運営目線で考える癖がついたのは自身の成長を感じる契機でもあります。10年目にはバシバシ問題解決できるようになりたいところです。


休憩室には名物しろくまが。一人一つまで。

1日と少しの参加の中で、普段の仕事の中で自分たちに課せられている社会的な期待や課題を改めて見つめなおし、改めて未来を見据えた事業展望を築いていこうと思いました。具体的にはいかにデータを集め、科学的研究のサポートをできるかですね。より効率的に正しいデータを集積できる利便性の高いシステム構築を目指し引き続き開発に取り組んで参ります。データ解析もメイン事業ですので、調査コンサルチームとの連携もより強化していかねばなりません。

旅行記

ちなみに鹿児島と言えば焼酎ですよね!

maou
ポスター発表&懇親会の会場にて

『魔王』は芋の匂いが強くなくて飲みやすいなんて言いますね。芋焼酎は芋の匂いがするから美味しいんじゃないの?なんて思ってましたが、なんというか、『魔王』美味しいです。血がめぐるような嫌な酔い方ではなく、アルコールが実に優しく体に染み込んできまして、ふわふわします。お酒の種類で酔い方というのは変わってくるものなんですね。おかげさまで懇親会はいつにも増して上機嫌でしゃべってしまいました。芋焼酎飲み放題は懇親会にうってつけのサービスです。

ramen1豚骨と鶏ガラらしい。おいしい。

また飲んだあとのラーメンが美味しいこと。タクシーの運転手さんのおすすめで天文館のくろいわラーメンへ。飲んだ後を想定した優しいあっさり味。こういうラーメンがいいんですよね。それに比べて東京のラーメンは濃口一点張りでぶつぶつ…。

ramen2空港のラーメンは普通でした。

なお、鹿児島空港には足湯があります。

とても入りたかったのですが、時間の問題があり今回は断念。
ホテルで温泉に入れたしまあ良しとします。

最後に国際学会のご案内

2017年の3月には東京で国際学会も行われますよ~。サイトは弊社で制作しております。
第18回「国際ヒトレトロウイルスHTLV会議」
http://htlv2017.org/jp

皆様半年後には東京でお会いしましょう。

この記事を書いた人

大下知樹

営業/設計をメインに、空いている時間でプログラミングも担当。目的の達成にこだわり、言語にはこだわらない。初学者に優しいPHPが好き。