コラム

医療の情報をわかりやすく伝えるには?

カテゴリ:調査/解析
調べもの

こんにちは。
調査研究部の根岸です。

皆さんは、「患者図書室」という取り組みをご存知でしょうか。
NPO医療の質に関する研究会が、全国50の病院に開設した、患者さんのための図書室です。
弊社では、その患者図書室に導入されている、「ネット患者図書室 しらべる君」というシステムを管理・運営しています。これは、優良な医療情報サイトのリンク集で、様々なウェブサイトがカテゴリ別に分類されており、良質な情報を手に入れるために役立つものです。

先日、「しらべる君」の「がんの予防と発生」カテゴリのリンク集を見ていて、興味深いページを見つけました。国立がん研究センターによる「がん情報サービス」の、「代替療法(健康食品やサプリメント)」というタイトルのページです。

まず、代替療法とは何でしょうか?
代替療法とは、現代西洋医学とは別のアプローチをする療法をまとめて指す呼び方です。代替医療とも呼ばれます。
この中には、東洋医学(漢方やアーユルヴェーダ)、音楽療法、瞑想、サプリメント、マッサージ、整体、気功などが含まれます。
似た言葉に「補完療法」があり、まとめて「補完代替医療」のように呼ばれることもあります。

さて、このウェブページには、「がんの代替療法の有効性と安全性のまとめ」の表が掲載されています。ハーバード大学が2002年に出したものの和訳のようです。

http://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/alternative_medicine.html

この表を見てみますと、サプリメントはがんの種類によっては推奨される場合もありますが、治療の状況や体調によっては、やめた方がよい場合もあることが読み取れます。
また、マッサージは全体的に推奨されやすいようです。
私は臨床での看護師経験があるのですが、患者さんに手で触れることには、不思議に相手の心を落ち着かせたり、痛みを和らげたりする効果があったことを思い出しました。

このように、ウェブサイトで、患者さんにとって重要で正確な情報を提供してくれるのは、嬉しいことですね。

ただ、正確な情報を提供しようとすると、説明が長くなったり、用語が難しくなったりしてしまいがちです。正確であっても理解ができなければ意味がないばかりか、混乱や誤解を招いてしまう可能性もあります。
しかし、平易にしようとすると、患者さん個々のケースへの配慮が抜け落ちがちになります。

医療の局面で必要とされる情報を、わかりやすく、正確に伝えることは、とても難しいことです。
まずは、伝えたい相手に何の情報が必要なのか、どのように表現したら正しく伝わりそうかをよく考えることが必要だと感じます。

弊社で行う調査研究のサポートにおいても、その貴重な成果を、必要な人に役に立つように発信していきたいですね。

この情報以外にも、がん代替療法についてまとまった国内の資料を見つけましたので、ご参考まで。

http://www.jcam-net.jp/topics/data/cam_guide.pdf
厚生労働省がん研究助成金
「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班
がんの保管代替療法ガイドブック

https://www.jspm.ne.jp/guidelines/cam/cam01.pdf
日本緩和医療学会
「がん補完代替医療ガイドライン」

この記事を書いた人

根岸麻歩由

東京大学医学部健康総合科学科看護学コース出身。成人看護学教室(現高齢者在宅長期ケア看護学/緩和ケア看護学教室)にて量的研究を学ぶ。学部卒業後、東大病院にて看護師として勤務したのち、アクセライトに入社。保健師の資格ももち、現場視点での調査研究には定評がある。