コラム
カテゴリ:調査/解析既存調査から~「お達者度」とは~
こんにちは。
調査研究部の根岸です。
調査研究部では今、ある市町の健康調査を行っています。
その準備として、全国の自治体による健康調査について調べています。
先日、静岡県による、面白い調査を見つけました。
公衆衛生分野にお詳しい方はご存知かもしれませんが、静岡県は保健福祉分野の取り組みが特に盛んな地域として知られています。
私が興味をひかれたのは、静岡県が公表していた、市町別「お達者度」です。
「お達者度」って何? と思われることでしょう。
公式サイトには、以下の説明がありました。
* お達者度とは、65歳から、元気で自立して暮らせる期間を算出したものです。
* 県内市町の介護認定の情報、死亡の情報をもとに、生命表を用いて算出します。
なんだか難しそうに思われるかもしれませんね。
しかし、この説明から、「お達者度」とはいわゆる「平均自立期間」のことであると推測されます。
こちらもまた耳慣れない言葉かもしれませんので、「平均自立期間」について、少々説明いたします。
まず、「自立期間」というのは、日常生活に介護が不要な期間のことです。
介護が不要かどうかは、介護保険の介護認定で判断されています。介護認定をされていない、あるいは要支援1、要支援2、要介護1までの人は、「自立期間」にあるということになっています。
(ちなみに、要介護2~5の期間は「要介護期間」と呼ばれます。)
「平均自立期間」は、ある集団の中のそれぞれの人の自立期間の、平均値ということになります。
つまり、静岡県が算出して公表している「お達者度」の意味は、『65歳以上の県民が、要介護2以上にならずに過ごしている期間の平均的な長さ』ではないか、と推測できるわけです。
こう説明してしまうと難しく聞こえてしまいそうですが、「お達者度」と言われれば、”高齢者の元気度を表しているのだな”と直観で理解できますし、”自分のお達者度を、ぜひ伸ばしたい!”と思えそうですね。
素敵な名付けだと感じました。
さらに、市町村別のお達者度の下に、
お達者度が長い市町の特徴として、運動習慣がある人、大豆製品を食べる人、緑茶を飲む人が多く、喫煙経験がある人や肥満に該当する人が少ないことが挙げられました。
と書いてあり、見る人の参考になりそうだなと思いました。
私たちの行っている調査も、住民の方にわかりやすいようにまとめたいですね。
参考:
「お達者度」http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-430/kenzou/kenkoujyumyou/otassha.html
「平均自立期間の算定方法の指針」 http://toukei.umin.jp/kenkoujyumyou/syuyou/heikinjiritu1.pdf