Web調査―コラム

Web調査と郵送調査の併用では、1週間前倒しの準備を

調査研究コンサルティングチームの根岸です。この記事では、Web調査と郵送調査を併用する場合のスケジュール感についてお話しします。

Webからも、紙からも回答できるハイブリッド調査

しばしば、「調査にWebからも紙からも回答できるようにしたい」というご要望を頂きます。

ご存知の通り、Web調査はデータ入力不要で即時に回答データを得られる点が、研究者にとっては大きなメリットです。一方で、Webからの回答が難しい方への配慮が必要なことがございます。具体的には、高齢者や、外部システムへのアクセス制限がありそうな施設などです。

そういった場合に備えて、ひとつの調査でWeb調査と郵送調査を併用することが一般的になりつつあります。

こちらの記事で、Web調査と紙での調査の併用について詳しくご案内しています。
Web調査と紙での調査の併用は可能ですか?

郵送調査も行うと、実は忙しくなる

Web調査を実施する際には、お客様に調査票をいただいてから調査実施まで、1.5~2か月ほど見ていただくことが多くございます。(こちらの記事もご参照ください。)

郵送調査を併用する場合、調査実施までの期間はどうなるでしょうか。

Web調査公開日に依頼状を発送することで、調査期間を合わせて実施する事がほとんどだと思います。

その際、印刷物や発送先リストの準備にどうしても時間がかかるため、予定の調査開始日に間に合わず、1週間ほど調査開始がずれ込むことがございます。

もちろん、印刷物の準備を事前に行えば、予定通りに調査を開始することが可能です。そのため、スケジュール検討においては、準備を1週間ほど前倒しで計画することがとても役に立ちます。

印刷物の準備で気を付けたいこと3選

調査開始を遅らせないために、印刷物の準備で気を付けたいことは何でしょうか。

特にスケジュールに関係するポイントを3つご紹介します。

1. 発送先リストの準備

封筒に印字する、調査対象者の住所や宛名の準備が必要です。

実は、この準備には意外と時間がかかるものです。調査のためにリストを作成することも多々あります。

個人を宛先とする場合には、調査研究に利用可能なリストを入手する必要があります。たとえば、特定の市町村の住民を対象とする際には、役所に出向いて住所氏名を転記しなければならない場合もあります。入手方法を事前に調べておくことが大切です。

また、患者や利用者などを対象とする場合には、個人情報の利用方法として適切かどうか確かめておく必要があるでしょう。

宛先が個人ではなく、医療機関や学校などの場合は、公開されている住所データを利用できる場合があります。ただ、最初から扱いやすいリストの形で公開されているとは限らず、条件に合う施設のウェブサイトを一件ずつ調査しなければならないこともあります。その場合には、時間や費用がかかります。

業者が住所リストを作成・販売していることがあります。このような業者から住所リストを購入すると、リスト作成の時間や手間を大きく削減することができます。ただし、やはり費用がかかることには注意が必要です。

2. 調査票のレイアウト調整

郵送調査を行う場合、印刷用に調査票のレイアウトを整える必要があります。

1ページあたりの分量を適切にしたり、設問の分岐がわかりやすいように矢印を引いたりと、思ったよりも時間のかかる作業です。かといって、レイアウトの洗練を半端に切り上げてしまうと、分岐を意図通りに回答してもらえなかったり、そもそも返送してもらえなかったりと、調査結果に悪影響を及ぼしてしまいます。レイアウトの整えは、回収率を上げるためにも、ぜひ時間をかけるべき作業です。

質問項目を確定させたら、Web調査の設定と同時並行で、紙面レイアウトを整えていくことが大切です。

3. ログイン情報

Web調査システムには、ログイン機能を付けることができます。特定の対象者のみから回答を得たい場合や、同じ対象者に繰り返し調査を行う場合などに便利です。

ログイン機能を利用する場合は、回答者それぞれにログインIDとパスワードを発行し、依頼時の文面に記載することが一般的です。

一枚一枚記載が異なり、封筒の宛名と封入物をマッチングさせる場合には、通常の印刷より追加で日数がかかります。

もちろん、依頼状や封筒に記載する内容なども決めておかなくてはなりません。 印刷発送に必要な作業を事前にしっかりリストアップして、計画的に準備を進めていきましょう。