データ管理の難しさ(システム運用中に改修が発生する事例)
今回は、データマネージャーの観点での「データ管理の難しさ」についてお話していこうと思います。
データマネージャーであれば当然に、、と思われるようなこともあるかもしれませんが、関係している施設や先生方、そして被験者の方々、刻々と動く試験やどんどんデータが入ってくるシステムを運用している最中というシチュエーションでは、当たり前のことを当たり前にすることが存外容易ではない、、という経験をお持ちの方も多いのではないしょうか。
その上で、あくまで私が実務上で特に注意していることなどもお話していきます。
<お問い合わせの例>
試験に伴いEDCシステムが構築され、試験実施から被験者登録がスタートされた後もEDCの入力項目に関して、様々な問い合わせが舞い込んできます。
そのお問い合わせの様々について、一部をご紹介してみます。
- 正確な検査日が分からない場合は、どのように「日付」項目に入力したら良いでしょうか。
- 臨床検査値を入力しようとすると「〇〇以上の数値は入力できません」とエラーになります。
どのように入力すればよいか? - 医師だけでなく、私たちCRCにもクエリ回答ができるようにして欲しい・・・など
こうした事例は、基本的には運用中におけるシステム改修を伴う事例と考えられます。
その際、直ちにシステム改修に取り掛かるのではなく、その改修がデータの品質に及ぼす影響がどれくらいあるのかを注意しながら、進めていくようにしています。
<特に注意していること>
データ管理で難しい部分のその多くは、具体的な処理やその作業というより、ある事象やシチュエーションにおいて、その試験運用での適切なアクション検討や判断、それらにおける適切なオペレーションであると考えています。
具体的には、特に以下に注意しています。
- システム改修内容の必要性の検討
- 改修された場合の影響範囲、対応時期
- 修正内容のイメージや影響範囲について、依頼者様に情報共有を行い協議する
- バリデーションを実施して必要なドキュメントを整備する
必要に応じて、、 - 逸脱事例に該当しないか
- データの取り扱いに影響を及ぼす場合は症例検討会にて検討するように記録に留める
- 集計・解析時に解析担当者に申送り事項とする
など、特別なことというより当たり前のことかもしれませんが、試験を円滑に回すにあたり、試験ごとに異なる内容や状況を理解した上で、その場面場面で特に注意し、対応するようにしています。
また、上記お問合せに関しては、「日付」項目欄に「不明」を許容する改修や、測定値のレンジチェック幅の改修、アカウント権限の見直しなどにより対応することが考えられます。
以上です。
今日も皆さまの試験がうまく回りますように。